第4期 東大IPCキャリアスクールを経て、株式会社DigitalArchiに入社し、経理・総務・人事労務などバックオフィス全般で広く活躍中の小関美奈さんのキャリアシフトストーリー。
■東大IPCキャリアスクールに参加した背景や理由を教えてください
パートとしてフルリモートで時短勤務していた会社が突然倒産し、転職活動をする中で、「フルフレックスでフルリモートの正社員」という柔軟な働き方があることを知りました。
10年間専業主婦をし、一度正社員から離れてしまった自分にはもう非正規しかないと見えない壁を作っていましたが、子育てが一段落した今、この働き方なら挑戦できるかもしれないと光が見えた瞬間でした。
しかしながら、実際の転職活動では求人要件は満たしていても面接までたどり着くことはほぼなく、現実の厳しさを身に染みていました。
そんな折、偶然キャリアスクールの案内が届き書類選考無しでスタートアップの方々とお話ができると目にし、またとないチャンスだとその場で申し込みをしました。
■東大IPCキャリアスクールの講座内で印象に残っていることは何ですか
キャリアカウンセラーとの3回の面談で話をじっくりと聞いていただき、これまでのキャリアだけでなく人生経験の棚卸や自分の強みを言語化し、職務経歴書をブラッシュアップできたことです。
また、キャリアスクールの期間中にWaris代表田中美和さんの著書が出版され「強みのない人なんていない!」という一文に非常に後押しされ、何度も読み直したことを覚えています。
■ミートアップイベント~採用~入社のプロセスで感じたことや意識したことを教えてください
広く門戸は開いていましたが、学歴や所属していた企業名・経歴ではなく「これからのあなたは我が社にどんな貢献をしてれるのか」をシビアに問われている様に感じました。
専業主婦から社会復帰して8年間、非正規雇用として体制構築中の複数の小規模企業で働き、人手が全くない中で業務改善を余儀なくされたり、未経験業務をある日突然任されたりするような環境に身を置いていました。倒産というきっかけではありましたが、そんなカオスな状況を楽しんでいた自分を活かせる場がスタートアップなのではないかという思いがありましたので、そのマインドやこれまでの成果を整理し謙遜することなく伝えられる様に努力をしました。
■今、どのような会社でどんな仕事をしていますか
2023年6月に設立した株式会社DigitalArchiで、二人目の正社員として経理・総務・人事労務などバックオフィス全般を広く担当しています。当初は拠点もなくフルフレックス・フルリモートで開始しましたが、現在は週2回出社しています。出社の曜日や時間が決められているわけではなく、あくまでも自主的に他のスタッフと対面でのコミュニケーションを主な目的として柔軟に出社をしています。
■入社後の社内の雰囲気や印象に残っているエピソードがあれば教えてください
これまでもマニュアルなどない混乱した小規模企業で、丸投げされた業務を自分で調べ何とか進めて行く事が多かったのですが、設立間もない弊社では業務の指示や丸投げも一切なく、会社に足りないところを自分で見つけ、自分で構築していくというスタイルでした(笑)。
また、貸与PCはあるかと質問したところ、自分で好きな物を選んでくださいと言われ、パソコン工場からフルリモート勤務の自宅へ直送されてきたのには驚きました。今までの会社でシステム担当者がPCをある程度セットアップして渡してくれていたのはとっても恵まれた環境だったのだと改めて感じた出来事でした。
自分で会社を持っていたり、他社と掛け持ちの業務委託の人も多く、プロフェッショナル揃いの集団です。
■今後やってみたいこと、挑戦してみたい仕事はありますか
社内体制構築の中で安全衛生推進者やパワハラ窓口担当者の設置が義務であることを知り、申請して社外講習を受講させていただきました。勉強するうちに職場における従業員の心身の支援や人間関係開発・職場環境改善に興味があることを改めて実感し、個人的に産業カウンセラーの勉強をはじめています。
今はまだ小さな組織ですが、スタートアップならではの急成長をする過程で必ずこの分野の強化が重要となってくると思います。十分な専門知識と技能を身に着け会社の発展に役立つ人材に成長することを当面の目標に、ゆくゆくは自分の後半人生をより豊かにするキャリアを築いていければ嬉しいです。
■ミートアップイベントを利用してスタートアップ企業に入社することのメリット、および気を付けるべきポイントを教えてください
メリットは書類選考なしで多くのスタートアップの方と1on1でお話が出来る事です。キャリアにブランクがあったり、長い間非正規雇用で働いてきた40代以上の女性には通常の就活において書類選考が非常に高い壁となっていると感じていますので、非常に大きなメリットでした。さらにはスタートアップの方々はこうした背景をご理解の上参加されているので「現在できること」よりも、人としてのポテンシャルに注目した求人内容だった様に思います。キャリアカウンセラーと練り上げた自己の強みをお話できれば、再就職のチャンスは十分にあると思います。
気を付けるべきポイントとしては、スタートアップは柔軟な働き方に理解はあるかと思いますが、整った環境や限られた業務範囲でのみ働きたい方には不向きです。マニュアルや先輩からの丁寧な指導はないことを前提に、わからなくても失敗してもとにかく自分で切り開いていく姿勢が大切だと思います。
■今後、東大IPCキャリアスクールの利用を検討する企業や受講生へのメッセージをお願いします。
キャリアスクールに参加をしたとき、私から見たら非常に優秀ですぐにでも希望のキャリアに戻れそうな方々が、自信を無くし悩み迷っている姿を多くお見受けしました。仲間と一緒に人生の悩みを共有し、スタッフの方々に支えられてキャリアスクールを終えることが出来たら、きっとこれまでの自分を肯定できる何かが見えてくると思います。
今後の働き方、生き方に悩んでいる方は勇気を出して飛び込んでみてください。
■プロフィール
小関美奈さん
証券会社での外国為替ディーラーや専業主婦などを経て、小規模企業にて採用、経理、総務等のバックオフィス全般を経験。2024年1月に株式会社DigitalArchiに入社。
※この記事は2025年1月に作成しました。